【物理24-33】てこ 〜 さおばかり 編

理解度チェック

東京・神奈川の入試本番は2月1日・2日。

そこで、努力が報われて見事夢を叶えた親子を、ちまたでは「2月の勝者」と呼びます。

でも、僕はこの言葉を聞くたびに「しょうもないな」とため息が出ます。

なぜなら中学受験のゴールテープが12歳の2月に設定されているからです。

先日オンライン授業でもお伝えした たかし先輩の話を引用させてください。

彼は小5から1期生としてミカタを受講。

6先生になっても成績は変わらず理科が超苦手でした。

挙句の果てに

「お前は吉本興業の売れない芸人の一人コント気取りか?」と皮肉を何度も言ったのを覚えています。

時が経ち、入試本番まであと100日に迫った日曜朝9時前。

お母さんから電話があり、

「コロナワクチンを打って意識がなくなりました。今は、小児集中治療室に緊急搬送されました。本番までに退院できる保証はないです…」と。

「まさか…」と頭が真っ白になったのを記憶しています。

その日の午後、奇跡的に意識を取り戻した彼が、

お母さんに「入院中は暇だから暇つぶしにタブレットを持ってきて欲しい」と

おねだり。

そして、この日の夜のミカタでまさかのまさかが起こりました。

表示名「たかし」がいたんです。

僕はてっきりお母さんがカメラオフで参加しているのかと思いきや

授業後お母さんに聞くと「私ではない」と…

カメラオフの正体は、たかし本人でした。 

後から聞いた話ですが、たくさんの機械を身体につけた状態で、

しかも電子機器を使ってはいけない空間でこっそりオンライン授業参加…。

彼の見せたガッツは売れっ子芸人のコントと同等のインパクトがありました。

この時期が来ると、3年経った今でもあの日の光景が鮮明に思い出されます。

入院から数週間後、無事退院。

その後、兼ねてから志望していた九州ナンバー2の男子校に進学しました。

記念受験で東京に来た際、

「今の努力が1000日続いたら一人前だ」と言って1000日日記とずっと大切にしてきたペンをプレゼントしました。

あれからまもなく1000日が経ちます。

日々を振り返り・改善を重ねた結果、パワーアップした彼はなんと学校を辞める決断をしました。

せっかく奇跡的な合格を果たしたのだからやめるのは勿体ない、と

説得を試みましたが、彼の意志は僕のはるか上を行っていました。

「先生、僕は高校受験で九州ナンバー1の学校を目指したいです。

医師に近づくには、今このチャンスにチャレンジしないわけにはいかないんです。」と。

 そんな彼とは今でも週1回、オンライン授業のあとに夢・面談を行っています。

前回は

「運動エネルギーの法則をもとにすると、ロケットを宇宙空間まで飛ばすには…

高速で打ち上げるのに大きなエネルギーが必要であるから困難では?」

というテーマで議論しました。

 

一人コントを永遠と続けていた少年は、1時間も対等に議論できる頼りになる青年へと変化を遂げていました。

以上から何が言えますか? 

中学受験で上手くいったとしても、受験で得た経験をその後に活かせなければ、それは敗者です。

一方で、2月の経験を糧に夢への努力を怠らない子は、勝者です。

僕の思う中学受験のゴールテープは合格発表から1000日後です。

【オンライン授業受講者限定】※今週は無料会員の方に視聴いただける動画のアップはございません。誠に申し訳ございません。

・さおばかりのしくみ

・さおばかりの典型問題(横浜英和・駒場東邦)

・ダブル支点の典型問題(筑波大学附属駒場)

物理

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